祝詞

歌声があった 歌声はあったから
あの自習室、満員電車
俯き歩く帰り道にも
歌声があった 歌声はあったから

いつも乗ってる 区間急行
流れ溢れる あなたの声が
真っ暗の世界に いるときだけは
ヒーローだって なれる気がしたよ

いつからか あの物語で泣けなくなって
星の数とかいいねだとか なぜか許せなくて
「誰かを救う」なんて 無理って気付いたけど

歌声があった 歌声はあったから
みんなとあなた 紡いだ声が
6200 闇夜を超えた
歌声があった 歌声だけはあったから

いつも書いてた あなたへの詩
流れ溢れる あたしの声が
まっさらな 五線譜を塗るときだけは
ヒーローだって なれる気がしたよ

いつからか あの物語は思い出せなくて
星の数とかいいねだとか 好きになったらしくて
救いたいのは私自身って 気付いたけど

歌声があった 歌声はあったから
みんなとあなた 紡いだ声が
6200日前の朝
産声を上げた 産声を上げたから